コミュニケーションの癖を知るヒント「愛着スタイル」

「人に気をつかいすぎる」「親しい関係が苦手」「依存してしまいやすい」「意地っ張りで素直に甘えられない」といった経験はありませんか?その裏側には、”愛着の問題がひそんでいる!”という切り口で、人の根幹を成し、対人関係、感情や認知、行動まで幅広く影響すると言われる”愛着スタイル”についてわかりやすく書かれた岡田尊司先生の著書をご紹介したいと思います。

著書での愛着とは、胎児期から幼少期にお母さんや身近な特定の養育者との関係の中で育んでいく心理的結びつきのことを指しています。

たとえば、人は生まれるとすぐに母親に抱きつき、掴まろうとします。子どもが成長するうえで、母が子を抱っこすることは、母乳を与えることと同じくらい重要で、たくさん栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもは健全に育たないそうです。

なぜなら、抱っこをし、体を接触させることは、子どもの安心の原点であり、愛着もそこから育っていくため。抱っこをすることで、子どもから母親に対する愛着が生まれるだけでなく、母親から子どもに対する愛着も強化されていくのだそう。何らかの理由で、あまり抱っこをしなかった母親は、子どもに対する愛着が不安定になりやすく、子どもを見捨ててしまうという危険が高くなることもあるそうです。

このことは、とても悲しい意図的な実験結果を通して、人に限ったことではないこともわかりました。本当の母ザルに育てられた子猿と、ぬいぐるみを母として育てられた子猿の成長過程を観察した実験があり、それによると、ぬいぐるみを母として育てた猿は、社会適応力が低く、強い攻撃性を起こすなどのコミュニケーション障害が見受けられたそうです。

また、別の親から引き離されて育てられた子ザルの実験では、単にストレスを抱えるだけでなく、脳が明らかに小さくなるということもわかったそうです。

これらの実験結果から、親の愛情が注がれないと、いつもストレスホルモンが放出されるなどして、脳や体の成長や発達に影響が及び、健全な成長が阻害される。すなわち、その後の人生全体に影響を与えるということがわかります。

子どもを親から引き離すというひどい扱いのもと意図的に行われた動物実験には、倫理的な嫌悪感や罪悪感を覚えます。しかし、こうした実験を通して、愛着がいかに大切かが浮き彫りにされているのも事実です。わたしたちが愛着を軽視せず、過ちを繰り返さないために、これらの話について知っておくのは、とても大切なことだと思ったため、ご紹介させていただきました。(参照:「愛情の大切さを訴え、愛着障害の悲惨さを物語る7つの実験とエピソード」https://susumu-akashi.com/2015/08/attachment

また、愛着障害は、全体の3分の1とも言われていて、この愛着障害は、先天的な生まれ持った「脳」の障害ではなく、生まれてきた後の母親との関係や愛着形成に問題がある場合に生じてくる障害のことをさしています。なので、障害というより「自己防衛本能」に近いものになります。ですから、障害という言葉をポジティブに受け止め、自分の望む生き方ができていないと感じたとき、人間関係で強くストレスを感じているときなどに、他者とのコミュニケーションの取り方の見直しのヒントがあるかも!という気持ちで、自分の愛着スタイルを知り、改善に取り組んでいくことが健全なコミュニケーションにとって大切だと思います。

「自分の愛着スタイルを知る診断テスト」や「どうやって愛着を改善していくのか?」についても、岡田先生の著書で詳しく書かれていますので、コミュニケーションを見直してみたい方や子どもとの「愛着」を育て直したい方は、ぜひ読んでみていただきたいと思います。

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Profile -プロフィール-

ウィルビー株式会社 代表取締役
ライフコーチ
金澤 澄江 Sumie Kanazawa

愛犬とのコミュニケーションに困り果てた経験がきっかけで、「同じ悩みを抱えるドッグオーナーをサポートしたい」と、2015年よりコーチとして活動をスタート。状況が改善する愛犬との暮らしで、潜在意識を活用した非言語コミュニケーションの奥深さを実感し、2018年アニマルコミュニケーターとなる。

現在は、ライフステージが変化し、「家族を犠牲にしないで、仕事でもより成果をあげ、豊かな人生を目指したい」と願う、女性の自己成長をサポートするための”ワークライフバランスを整えるコンサルティング型コーチング”を行っている。プライベートでは、ポメラニアンの男の⼦のママ。